虫刺されinsect bites
虫とは
- 昆虫類 :ハチ、ノミ、シラミなど。
- 節足動物:クモ、ダニ、ムカデなど。
発症様式
1.刺咬
ハチ、アリ、クモ、ムカデなど。
2.接触
ドクガ、イラガ、ハネカクシ、カミキリモドキなど。
3.吸血
カ、ブユ、ヌカカ、トコジラミ、ノミ、イエダニ、マダニなど。
4.寄生
ヒトジラミ、ケジラミ、ヒゼンダニなど。
5.媒介
マダニ(ライム病、日本紅班熱)、ツツガムシ(ツツガムシ病)
臨床症状
かゆみ・・・
皮膚に注入された毒成分や唾液腺物質に対するアレルギー反応で生じる。
痛み・・・
皮膚を刺したり、咬んだりする物理的な痛み。
皮膚に注入される物質の化学的な刺激による痛み。
アナフィラキシーショック・・・
刺されて直後~数時間以内に全身倦怠感、蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下、意識消失などショック症状を生じる。
強いアレルギー反応による。
虫に刺されたらどうなるか
1.瞬間に疼痛を感じる
ハチ、アリ、アブ、ヌカカ、ガ、ムカデ、クモ。
2.数時間以後に疼痛を感じる
ハネカクシ、カミキリモドキ、ツチハンミョウ、マメハンミョウ。
3.1~2日後にかゆみ、紅班、丘疹を生じる
カ、ガ、ブユ、ノミ、トコジラミ、ダニ。
4.刺された直後~1時間以内にかゆみ、膨疹を生じる
カ、ガ。
虫によって媒介される皮膚疾患
ツツガムシ病
タテツツガムシ、フトツツガムシなどのダニの吸血によって、Orientia tsutsugamushiが感染する。
7日~10日で発熱、全身倦怠感出現。刺し口がある。
ライム病
シュルツェマダニ、ヤマトマダニによって媒介される。病原体はライム病ボレリアである。
吸血して数日後に遊走性紅班が生じる。
日本紅班熱
マダニ類の吸血によって生じる。病原体はRicketsia japonicaである。
2~8日の潜伏期のあと、発熱、手足から発疹が生じる。
蚊(カ)に刺されたらどうなるのか
- 顔や手足などの露出部を刺します。
- 庭や公園などではヤブカ類のヒトスジシマカ、室内はイエカ類のアカイエカが多いです。
- 蚊に刺されたときの皮膚反応としては、即時型反応と、遅延型反応がある。
蚊に刺されたときの皮膚反応
即時型反応
シュルツェマダニ、ヤマトマダニによって媒介される。病原体はライム病ボレリアである。
吸血して数日後に遊走性紅班が生じる。
遅延型反応
5~6時間後に発赤を生じ次第に拡大し、かゆみを伴うようになり、1~2日でピークになる。
蚊に刺されたときの皮膚反応は年齢と共に変化
乳幼児
遅延型反応。
乳幼児~青年期
即時型反応~遅延型反応。
青年期~壮年期
即時型反応。
ブユに刺されたらどうなるのか?
ブユとは、体調2~5mmで吸血する。高原や山間部の渓流沿いに多く、朝夕に活動する。
眼周囲、耳、鼻、四肢などの露出部位。初めて刺されたときは痛み、かゆみはなく、
数回刺されている場合は数時間後に激しいかゆみを生じ、赤いしこりが出来る場合がある。
蜂(ハチ)に刺されたらどうなるのか?
- 代表的なのは、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチです。
- 養蜂場、庭木の手入れ、農作業、林業、ハイキングなどの際刺される。
- 初回の場合はすぐに激しい痛みが出現し、赤く腫れます、数時間で治まります。
2回目以降は、直後にじんましんを生じたり、強い発赤、腫れが生じ、2~3日でピークに達し、1週間で消失します。
アナフィラキシーショック
ハチ毒成分による即時型アレルギーにより、30~60分で意識低下や血圧低下を生じて死に至ることがある。
家ダニに刺されたらどうなるのか?
- ねずみに寄生する家ダニによる室内での被害が多いです。
- 体長は0.6~1.0mm。
- 刺されている場面はまずみない。
- 人が寝ている間にふとんの隙間に入り込む。
- わき腹、下腹部やふとももの内側を刺す。
- かゆみが強い、ブツブツを生じる。
マダニに刺されたらどうなるのか?
- ハイキングや野外レジャーの時に刺される。
- 体長は約1~3mmで吸血により増大する。
- わき腹、ふとももや陰部などの皮膚に咬みついて吸血する。
ライム病を媒介する
ライム病ボレリア感染により発症する。
咬着後3日~30日で慢性遊走性紅を生じ、神経症状や関節炎を生じる。
毛虫(ケムシ)に触るとどうなるのか?
有毒毛には、毒針毛と毒棘がある。
毒針毛
ドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)
毒棘
イラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガ)
※毒針毛はは0.1~0.2mmで触れると激しいかゆみを伴うジンマシンようの症状や、
赤いぶつぶつが多発する。首や腕に集中するのが特徴です。掻くことで拡大します。
ムカデに刺されるとどうなるのか?
- 体調は110~130mmで、夜間活動性である。
- 梅雨期から盛夏に多発する。
- 咬まれた瞬間に疼痛を生じる。
- 刺し口に一致する2この丘疹を中心に発赤、腫脹し、2~5日で軽快する。
- 好発部位は手、足、四肢、頚部。
- アナフィラキシーショックもまれにある。
ハネカクシに触るとどうなるのか?
- 体調は6.5~7.5mmで活動ピークは6~7月。
- 夏季に灯火に飛来する。
- 体液(有毒物質ペデリン)の付着で数時間後に線状のかゆみを伴う皮膚炎を生じる。
- 顔面、頚部、四肢などの露出部に多い。
アリに刺されたらどうなるのか?
- 体調は4.0~4.5mm。
- 尾部の毒針で毒液を注入する。直後に疼痛を生じ数時間後に紅班、拡大し24~48時間でピーク。
- 尾部より蟻酸をふくむ毒液噴霧する。付着部に一次刺激性の皮膚炎を生じる。
ノミに刺されたらどうなるのか?
- 刺された1~2日後にかゆみと赤い発疹や水疱ができる。
- 数日後に軽快し始め、約1週間で消退する。
- 夏に多いが、春や秋にもみられる。
- ネコノミは、ノラネコやイヌに寄生する。
- 公園の砂場、道路など、室内では、床下、畳の下やたんすの下やうしろなどにいる。
治療はどうすればよいのか
外用剤
- 非ステロイド剤。
- ステロイド外用剤:赤みやかゆみが強い場合は。
内服剤
イラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガ)